5 月2日 青方港~呼子港
天候:曇り(濃霧)後晴れ(黄砂) 風力:3
走行距離60M レポート:平田 欽也
本日はスケジュールの遅れを取り戻すために 02:30起床、03:00 に青方港を全員ワッチで出港する。うねりは2mと高く大きく揺すられるが、風も波も北西から来るので艇速は稼げている。今日も黄砂の影響で視界が 2 マイルと悪いので、景色が楽しめず単調な航海が続く。連れ潮に助けられて予定より早く 12:30 に呼子港に入港できた。港の奥の観光船乗り場横に繋留してある「ドンガメ丸」の上から手を振っている人がいる。ここをホームポートしているヨットDYLANのオーナー香山さんだ。舫いを取ってくださり、1 年ぶりの再会をしばし懐かしむ。呼子といえばイカ。早々上陸し、「いとう」を訪問し、夕食のイカ定食の予約を入れてきた。
夕食までの間、唐津まで移動して観光することにした。近くの呼子バスセンターからバスに乗り 30 分で唐津に到着したが、料金は片道 730 円と少々お高めだった。バスを降りてまずは腹ごしらえ、お昼はそのへんのラーメン屋さんに入ってとんこつラーメンを食す。さすが本場九州、以外に美味で満足満足。唐津といえば「唐津くんち」というお祭りが有名だが、そのお祭りで使う曳山が展示してある「曳山会館」を見学する。展示施設というよりお祭りまでの格納場所に入ってしまったという感じで、現役の曳山が 14 台並ぶ姿は壮観だ。散策しながら海岸沿いを歩いていると「旧高取邸宅」に遭遇。
炭鉱主の邸宅とあって贅が尽くされており、庭や建築のデザインも素晴らしい。和風の中にもモダンなデザインがちりばめられており、当時は最先端の建築であったことを想わせる。手入れも行き届いており、現在も色あせない美しさに感動した。
いよいよ目的地の「唐津城」に到着。海岸の丘に建つ珍しい立地で、長い石段を新緑のもみじや、見事に咲いた藤棚の花と、香りを楽しみながら石段を上がり、天守閣を目指す。天守閣は石垣を修復中で、どのように復元するのかな~?と思いながら天守閣の展望台に上がると即判明。見下ろすと海岸の砂浜に、石垣が石の一つ一つに番号をつけられて整然と並べてあった。何年かかるかわからないが根気の要る作業に脱帽。唐津の街を歩いているとどことなく美しく気持ちが良い。唐津の人々は常に新しいものを取り入れつつ、古い建物を大切にしている気質に尊敬の念を抱いた。戻りバースに滑り込む。おやすみなさい・・・・・・残念ながら黄砂の影響で余り遠くまでの美しい景色は見られなかった。
バスで呼子に戻り、寄航した本当の目的のイカを食べに予約していた「いとう」に立ち寄る。気さくでヨットに理解ある大将は、今年も温かく我々を迎えてくれた。残しておいてくれた人数分のイカをいけすからら引き上げその場で姿づくりに、う~ん生ビールが進む。イカ刺しを堪能した後はゲソとミミを天ぷらにしてくれる。生ビールもう一杯。息子はイカの生き造りでご飯3杯目のおかわり。・・・・・最高の時を迎える。
船に帰り、隣に舫っているヨットDYLANを表敬訪問する。オーナー香山 哲、康代さは笑顔で迎えてくださり、お互いの 1 年間のヨットライフの話題に花が咲く。息子の与理(あたり)は香山さんと初めてお会いし、船上生活のお話を興味深く聞き入っている。多様な価値観や見識を知るよい機会に恵まれることに目を細める。楽しい時間はあっと間に過ぎ船に戻りバースへ滑り込む。おやすみなさい・・・
5月3日 呼子~新門司マリーナ子港
天候:曇り(濃霧)時々小雨(黄砂) 風力:3
走行距離70M レポート:山本 孝司
0550 黄砂とも曇りとも分からない天候の中、呼子港を出港する、越前大島を過ぎる辺りからウネリが時々3mを超えるようになり磯に打ち上げる飛沫が遠目にも大きく見えるようになった。
途中赤潮が大量発生した玄界灘を抜け、昼前に海上保安庁の巡視艇が徐行しながら11時の方向からこちらに向け0.3マイル前方まで接近するが行き成り全速力で3時の方向に走り去って行った。
関門海峡に入るとE6の表示が見えた。此れならと思い、停泊予定していた小倉を通り過ぎ、連れ潮に乗って走り、新門司マリーナを本日の停泊地と変更する。関門橋下で最高速度は13 ノットとなった。関門通過後は陸寄りの定置網を避けるために沖周りをし 1700桟橋に接舷、すぐさま事務所に届出をし、閉館時間となる前にシャワーと、ゴミ出しをお願いする。隣の桟橋には岡崎の 36fか、木目の美しいブルーワークの K&K と言う名前の艇が寄港していた。お名前を聞き忘れたが、入港できるローカルな場所を親切に教えて頂いた。シャワーを浴びすっきりしたところで宴会に突入する。
5 月4日 新門司マリーナ子港~室津港(上関)
天候:晴れ(黄砂) 風力:0~1
走行距離50M レポート:杉山 義春
06:00 起床、吐く息が少し白い。北海道では季節外れの雪が降ったそうです。ここのマリーナは管理人がいない時間はトイレが使えないのが残念。「鉄川」のお土産でもらった、鯵や鯛の一夜干しと、玉子焼きでリッチな和定食の朝食です。「鉄川」の一夜干しは素材がいい上に塩梅といい干し加減といい絶品でした。
朝食を早々にすませ、07:30 出港。無風で海面が鏡のようです。バウのパルピットから海面を覗くと自分の姿がはっきり見える。宇部空港の沖でスナメリクジラと遭遇。めったに会えないのに出会えたことに感激。呼吸孔を時々出していたが、ジャンプまではしてくれない。針路91度でほぼ一直線に航行。室津に 16:20 分到着。入港前に高速船が出港してくる。ここの高速船は結構便数が多い。
原田水産で名物の天ぷらを購入。港からバスに乗って志田で下車、シーサイドホテル上関(0820-58-0555)までさらに徒歩で7・8分。レストランで釜飯御前を頼んでお風呂に入ると言ったら、600 円の風呂代が無料になった。お風呂は塩化ナトリウムのしょっぱい天然温泉で結構よかった。西側の海岸べりにあるので、夕日が見えたらかなり綺麗だったと思う。次回に期待しよう。釜飯御前はかなりボリュームがありました。別に瀬戸貝のバター焼きも頼んだが、歯ごたえもあり結構美味しかった。帰りはバスで送ってもらったが、ゴールデンウィークで忙しかったせいか、別料金で 1800 円かかりました。船に戻ってからは、さらに宴会の続きです・・・。
5 月 5 日 室津港(上関)~廿日市港(ホームポート)
天候:晴れ 風力:0~1
走行距離 37M レポート:渡海 雄二
0610 時 起床、本日は黄砂も殆どなくなり晴天である。昨夕は山本君に急遽所用が発生したために、ここ室津よりタクシーにて柳井まで走り、JR にて急きょ自宅に帰ったので、本日のメンバー数は平田 Jr 含め、6 名となった。0740 時 室津出港、上関大橋をくぐり抜け下荷内島を右に見て、大島商船学校沖の砂州の横を通り、大畠の瀬戸 0910 時通過、勿論 操舵手は魚釣りで此のあたりに詳しい佐竹さん、アンカーリングしての昼食をと、瀬戸内の鏡のような海面を大黒神島目指して走り、1230 時 大黒神島到着、桟橋代わりの小舟に係留し、新芽も眩しい島の緑を眺めながら杉山君お得意のスパゲッティーを、白ワインとともに美味しく戴いた。
1330 時上陸する時間がなく心残りだがまたの来島を心に、出発。数少なくなったカキ筏の中を抜け、入鹿鼻、小黒神島と俎板磯の東側を経由し、宮島海峡を抜けながら、船内の片づけ、掃除、各自の荷物を整理しながら交代で操船し、ホームポートに全員無事にたどり着いた。 皆さん残念ながらあまり日焼けできなかったが、唯一山本孝司君は、後日あった時にメンバーの中ではびっくりするほど黒くなっていた。
前半の航程が、私の都合により丸一日遅れとなり、回航メンバーには未明の出発や、強風の中の強行軍と、苦労を掛けた部分も有ったとと思う。また 後続組が来るまでの佐竹さんや、私が料理が苦手なのをカバーする為に、千葉から応援に駆け付けてくれた元国家公務員で、律儀で真面目な原 恒道さんに感謝。後半も風強で動けなかった日も一日ほど有ったが、今回で五島列島の主な島は周回が完了と成ったと思う。あとは若松瀬戸の入り江の探索を車でなく、ヨットでのアンカーリング生活の楽しみが残っている。
それから いつも思うが、料理の上手な若者(私の中では何時までも)二人の名コンビが交代で手際よく、美味しいものを作ってくれることがクルージングの楽しみの一つである。今回 航海計器が増設されてコンソール台が混雑してきてオートパーロットの操作が難しく成ってきた。山本君が落ち着いたならば、図面を引いて計器類の増設分のコンソール台を作り替えてもらいたい。そして 山本君が下船して「神の河」仲間がいなくなり、ちょっぴり元気をなくした「回航仲間」の佐竹さん、来年は久方ぶりのトカラ列島にするか、また五島列島探訪にするか考えておいてください。
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