第10日目5月2日(日) 宇久フイッシャリーナ~呼子港        50 マイル

2010年 五島列島未分類

第 10 日目  5月2日(日) 宇久フイッシャリーナ~呼子港        50 マイル
天候:晴れ      風力:1 波高:0.5m レポート:山本 孝司

桟橋を固定するパイル頂上に太陽が昇る時刻に宇久フィシャリーナを出港する、朝日に向かい東に進路を取る、まったりとした東シナ海を通過中、測深器に昨日から水深5mから10m位に魚影(虚像?)が映し出される時々水深は0mまで上昇するが正体は不明。途中4~5隻のクルージングヨットとすれ違う「たぶん五島列島方面に行くのかな」呼子大橋を通過し 1310 イカで有名な呼子港に入港、いつもの様に港の奥にある小型フェリー「どんがめ丸」に繋留させていただく、この港は幟が立ち並び出店も多く車は大渋滞、観光客でごった返していた、昨年と今回の往路も復路も親切に係船させて頂いたのと、七つ釜という名所が気になって隣の観光船イカ丸「マリンパル呼子」(0955-82-3001 @1500 円/人」展望船ジーラに乗船させていただく、玄海の荒波が玄武岩の断崖を浸食してできた7つの洞窟が釜戸を並べたように見えることからその名付いたとのことで、その岩肌は溶岩が海水と接して独特の断面と形状をしている。太い「きし麺」の様な、電車の「枕木」のような断面と形状をしていて色々な方向に躍動している。それにしても観光船の船長の操船は見事なもので、洞窟の中に入り込み観光客の歓声を誘った。

国民宿舎波戸岬のお風呂に入る為タクシーをお願いする。途中「佐賀県立名護屋城博物館」(0955-82-4905)に寄り佐賀の歴史について少し勉強し、「国民宿舎波戸岬」(0955-32-1511)に向った。展望浴場では今朝通過して来た海を眺めながらノンビリ入浴した、夕日が落ちる時刻の入浴は最高とのこと。帰りに食料(スーパーまいずる9)でタクシーを降り必要な食料を調達する。
港に帰ると「ディラン」の香山さんが「どんがめ丸」迄来て、待っておられた。渡海さんと近況を報告しあいながら明日の天気、潮など情報も聞き込み再開を約束していた。平田、杉山両氏の待ちに待ったイカ料理の美味しい「いとう」(0955-82-1533)に行くイカ料理は生き造り、イカシュウマイ、最後に活き造りの残りゲソの天ぷらは、私の感性にマッチして大変美味しい、店のご主人は昼から夕方まで観光客の食事造りで、てんてこ舞い、大変お疲れのご様子、ご苦労さんでした。また 最後の私達への美味しい料理有難う御座いました。食事を済ませたが、まだ 6 時、此れから艇に帰って長い宴会が始まる予感がする・・・・・・・。

呼子港の賑わい
地元でも一番と勧められる店
イカの活き造り

第 11 日目 5月3日(火) 呼子港~新門司マリーナ「海の駅」 65 マイル
天候:晴れ 風力:1 波高:0.5~1.0 レポート:杉山 義春

呼子港東口の夜明け

05:00 起床、渡海さんがいそいそと発電機を片付けて、スプリングロープを外している。夕べの打ち合わせでは、6:00 出港のはずだったが、結局 5:40 出港。3人に出港を任せて、私は夕べ作っておいた、豚バラ肉のマーマレード煮の脂をとってました。高齢者とお腹が出ているメンバーなので、美味しいものは食べたいけど、カロリーは多少気にして一手間かけます。このためにわざわざ夕べ仕込んだんだし。出港後、進路 70 度、スキッパーは欽也。微風、メインとジブを両方出して、筑前大島まで、35マイルを、巡航7ノットで5時間。本日は、博多沖が 11:00 の満潮。つれ潮で筑前大島まで行き、筑前大島からは、今度は関門に入る潮で、ここからもつれ潮。不思議だが、12時間ずっとつれ潮でした。

彼のお腹もフェンダー?

8:00 朝食は、五島で仕入れたカマスの一夜干と味噌汁で和定食。日光浴を楽しんで、イルカでも出ないかと期待しながらデッキでウトウト。山本さんが、私と丸いフェンダーを2つ並べて、団子腹三兄弟という写真をとっていた。プンプン!12:00 昼食。お昼ごはん。夕べ仕込んでおいた、マーマレード煮でサンドイッチをサラダ。シャンパンで乾杯。13:00 関門海峡突入。本船の行き交う中を、航路ブイの外側沿いに進む。航路ブイのすぐそばには、ペットボトルをブイにした漁師さん の仕掛けが点在しているので要注意である。

美味しいサンドイッチご馳走様

13:00 関門海峡突入。本船の行き交う中を、航路ブイの外側沿いに進む。航路ブイのすぐそばには、ペットボトルをブイにした漁師さん 彼のお腹もフェンダー?の仕掛けが点在しているので要注意である。
12 時間のつれ潮のお陰で、快調にログが稼げる。小倉に入港する予定を変更して、新門司マリーナ「海の駅」に目的地を変更。途中の門司港には日本丸が繋留してあった。去年もいたので、毎年ゴールデンウィークは、ここに繋留しているのかも。対岸の下関ではしものせき海峡まつりが開催されており、過去最高の 38万人の人手だったそうだ。源平船合戦を再現した 80 隻の漁船が平家の白い幟と、源氏の赤い幟を揚げ隊列を組んで 6 ノットの逆潮の中、行進する姿は勇壮で圧巻だった。

関門海峡では最高6ノットの連れ潮潮流であっという間に通り抜けました。
16:40 新門司マリーナ「海の駅」(093-481-6233)入港。「九州海の駅 3スタンプキャンペーン」で無料にしてもらった。いままでこの制度を利用したことが無いらしく、スタッフの人はどう処理していいかわからなかったようです。(その割には、キャンペーンのパンフィレットが入り口にあったので、とぼけられていただけかもしれないが・・)
渡海さんの粘り強い交渉で、6200 円の繋留料がただになった。先日の宇久で使わないで大正解ですね。シャワーは 17:30 までなので、早々に浴びて、これから夕食の支度です。山本さんは既に出来上がりつつあるが・・・。これから長い宴会が始まるかな?

筑前大島沖
門司港の日本丸
新門司マリーナの夕日

第 12 日目 5月4日(水) 新門司海の駅~室津港 60 マイル
天候:晴れ 風力:1 波高:0.3~0.5m レポート:平田 欽也

06:00 起床、本日も快晴で、上関まで 60 マイル 10 時間の航海の予定。 牛島近くの佐合(さごう)ノ瀬戸を満潮までに通過したいので直ぐに出港することになる。早起きは三文の徳、マリーナを出たところで「スナメリ」がペアで泳いでいるところに遭遇できた。本日の進路は 70 度、穏やかな瀬戸内海を真東に進みながら帰路に着く。朝食は宇部沖で、今回の航海中に手に入れた佃煮などのたくさんのご飯の友を、炊き立てのご飯にのせて堪能した。ゼファーラー自慢の和定食である。穏やかな海は歓迎だが風も弱く、牛島までの 8 時間ずっと同じコースなのでちょっと退屈になる。黄砂の影響なのか視界が 5 マイルくらいと悪く、退屈しのぎにレーダーをセットして霧中航行の練習と決め込む。のんびりとした時間が流れ、気温も高くなってきたのでビールが恋しくなる。
お昼のメニューは「ざるそば」と「天ぷら」に決定し、祝島沖あたりで天ざると冷たいビールで乾杯。しかし、航行中に船内で揚げ物をしたのは久しぶりだ。ほんとうに穏やかな海に感謝である。

走りながらの「てんぷら揚げ」ご馳走様

牛島を予定通り通過し、上関の対岸にある室津港に 15:15入港した。早速、お風呂の予約を港に面する民宿「四海荘」(0820-62-1073)にお願いしに行く。ここは昨年のクルージングで開拓した後、便利な場所なのですでに何度か利用させていただいた。お風呂の準備が出来るまで、近くにある 郷土資料館「四階楼(しかいろう)」(0820-62-6040)を尋ねることにする。明治 12 年に建てられた四階楼は、文字通り木造四階建で、室津港の汽船宿として栄えたそうである。

儀洋風の木造建築は当時の最先端の技術で作られたそうで今見ても斬新なデザインだ。現在は上関町の郷土資料館として無料で公開されており、海上交通の要衝として繁栄してきた上関の歴史を知ることができる興味深いスポットになっている。港にはもう一つの魅力的なのスポット「原田水産」(0820-62-1039)もある。地元名産「てんぷら」の製造販売をしている。店内にはジャコ天、鯛天、タコ天など、たくさん揚げたてのてんぷらが並んでいた。早速購入して、今夜の酒の肴に変身。最後の晩餐を楽しむことにする。

第 13 日目 5月5日(木) 室津港~廿日市港 43 マイル
天候:晴れ 風力:1~2 波高:0.3~0.5m レポート:渡海 雄二

本日はホームポートへの最終レグ・クルージング、今朝は朝食をゆっくり取り 08:00 出港、上関大橋をくぐり、連れ潮にのり大畠の瀬戸は最高速度 9 ノットで通過する 09:30。岩国沖に差し掛かると瀬戸内海汽船の銀河を始め、数隻のフェリーやたくさんのプレジャーボートが岩国米軍基地の航行禁止区域外側に停泊中、今日は「子供の日」で岩国ベースは開放され航空ショーが開催されている模様、次々と滑走路から飛び立つジェット戦闘機が轟音を響かせながら霧の中から飛び出てくる。進路 甲島から阿多田島の東を目指していたが、艇長の山本君何を思ったか阿多田島の西側を通り宮島の西側に進路変更、大野浦の瀬戸を通り鳥居越しに宮島参拝を海上から行うつもりか?その頃から風が少し強くなってきた。
昼ごはんは宮島の西側須屋浦にアンカーリングして食べることとした。杉山君お得意のパスタメインのイタリア料理、なぜか原さんに送っていただいた那須の与一漬またまた出てきたが、白ワインにぴったり。アンカーリングのお陰でゆっくりと昼食ができた。
忙しく行き交う宮島航路のフェリーの間を縫うようにして養殖筏の間を通り、廿日市ボートパーク
に 14:30 全員無事に帰港した。

宮島西側須屋浦
最後の昼食 ご馳走さんでした
お二人さん何時も美味しい料理有難う!

<このクルージングを振り返って>
往路 小倉港から呼子港の間、エンジントラブルが3度発生した。其の都度帆走しながらエアー抜きで対処したが、根本原因が判明せずに、最後はタンクからのホースを外して携行ポリタンクに直接給油パイプと、戻りパイプを突っ込みペコペコポンプで給油しながら呼子に到着し、左右の燃料タンクを開放してみると右側タンクは燃料が一杯で、左側は殆どからの状態、給油吸い上げパイプが片方のタンクしか機能していないようなので、タンク同士を繋ぐバルブを開放し燃料を一定の量以上に保ち、走ることとした。循環水パイプは昨年総取り替えしたが、給油関係のパイプ類と切り替えバルブの取替えは、本年度の課題である。当初はシングルハンドでの回航計画でしたが中鶴さんが回航に乗艇されて、トラブル修理中も帆走出来、漂流せずに助かりました。
また 26 日午後 中通り島の奈摩湾に避航した際、メインセールを降ろそうとしてブームがグースネックから外れ、マストの前まで飛び出したので、取りあえずロープで固定してセールをおろしたが、重量のあるメインセールを乗せたままでの取り付け修理と、初めての経験だったので、2 時間余りかかってしまった。後ろにレーダータワーが有ったので、テークルで引っ張ることが出来、ブムの取り付けに随分助かりました。ナットの緩みチェックも出港前の点検項目に入れて置かなくてはならない。昨年ブームを外して塗装した時にボルトの締め付けが不十分だったのか、風の振動でナットが緩んだのかのどちらかであろう。
二人合わせて 137 歳の往路は午後三時ごろには各港に入るよう余裕を持って走ったが、復路の若者三人(中年と言って良いかも知れませんが)と走ったのは、風のせいも有りますが、一日 13~25マイルの日が三日もあり昼寝付の随分ゆっくりの旅でした。早めに着くお陰で、寄港地の様子もよく判りました。
今年の五島列島は 3 月ごろから西風が多く、地元の人たちも不思議がっておられるように、天候不順で漁に出られる日が少なく、魚を福江島から運んでいるとの事、短パンとTシャツでセーリングし、小麦色に成りたかった私たちに取っても、少し残念でした。

復路小倉から私一人の回航予定でしたが、心配だったためか、メンバーは寄港地をショートカットしてくれ、最後まで一緒で、すいぶん楽ができました。感謝!感謝!

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