第 11 日目 5 月 4 日(金)みどりの日 見島~室津港 天候:晴れ後曇り 風:中風
レポート:平田欽也(隠岐 浦郷港乗船)
昨日より、鳴戸さんと息子のアタリが加わり乗員は総勢8名。 06:11 に見島本村港を出港し、南南西 43 マイル先の室津港へ向か った。昨日から強かった風と波はやや弱まったものの、今日も向か い風でスプレーは避けられそうにない。初の日本海、初の外洋デビ ューを果たすアタリがちょっと心配。出港前に合羽とライフジャケ ットをしっかりと着用させて、コックピットに座らせた。港を出て 間もなく、アタリの隣にいた山本さんから「イエローカード!」の 声あり。慌ててバケツを持って行こうとしたが、荒天準備でガチガ チにロープで縛られているバケツが取れない・・・ああ~と言う間にコックピットに発射!アタリは、早くも日本海の洗礼を受ける。やっぱりいきなりの日本海は、体が慣れて いないのでチトきつかったかな~。鳴戸さんも風邪気味で調子悪そう。
こうして見島合流組は、仲良くアフターキャビンでダウンする。「よし、息子の為にも早く室津港に到着しなくては!」使命感に燃えた私は、張り切ってジブセールを上げ、メインシートを引き、ラットを握ってクローズホールドを攻めまくる。船はヒールし、デッキを洗い始める。激しいピッチングと共にスプレーを浴び、船速が上がり快感が走る。「これぞセーリングの醍醐味!」と、喜びもつかの間、アフターキャビンからアタリの悲鳴が聞こえて来る。みんなからも「息子が苦しんでいるのに、とんでもない親父だ!」と責め立てられる。残念だがセーリングを諦め、息子の介抱にキャビンに向かうことにする。
14:30 室津フィシャリーナに入港。ここは天然の良港で、波も風も無く嘘のように静かだ。フィンガー桟橋 の先端に舫い、湿気た毛布や合羽を大漁旗のように干す。桟橋には水道と電源が完備されており、早速、水を 補給。アタリはすっかり元気を取り戻し、「まだ昼ご飯を食べてないよ~お腹減った」と訴える。「さすが我が 息子!」と親バカぶりを存分に発揮しながらタクシーを呼んで川棚温泉へ向かう。連休はピークを迎え、旅館 やお店はどこも賑わっている。本日の風呂と食事は何処にしようか、アンテナを張り巡らせる。先発隊のリサーチを生かし川棚グランドホテルに決定。温泉にゆっくりつかっ て疲れをとった後、生ビールで乾杯!これだからクルージングは 止められない。名物の「瓦蕎麦」と「ひつまぶし」を堪能し、お 腹いっぱいになり大満足。帰りのタクシーの中、アタリにそれと なく訪ねてみた。「しんどかったら、明日の朝ここで船を下りて 電車で帰ってもいいんだよ・・・」するとアタリは「やだよ!だ ってヨットの方が楽しいもん!」。「あっそう」とそっけなく答え ておいたけど、心の中では大喜びのお父さんでした!!!
第 12 日目 5 月 5 日(土) 室津 ~ 平群島 西浦港 87 マイル
レポート:鳴戸栄朗(見島 本村港乗船)
午前 6 時 20 分少し遅い出港となる。平田シェフ・杉山シェフの心こもった調理が食卓に並び、一同ゆっくり和定食を済ませる。天気曇り、風少し、波少し、お世話になったマリーナを後にする。あたり君「平田ジュニア」の舵取りで湾を出てまもなく南向き進路に、日本海から瀬戸内海に向かう。小学 3 年生ではあるが親にくっついて何度かロングをこなしてステアリングは慣れている。関門海峡入り口まで 3 時間、海峡通過に 1 時間の予定。風は真向かいなのでメインセールで機走する。
ところで、予報では今夜には雨模様とか、目的地の変更はや む無し、姫島泊まりでは翌日が崩れると廿日市帰着が困難に なる。本日は 20数マイル行程のプラスで泊地を平郡島に修 正する。
陽を望めない中、雨コートとライフジャケット姿で海峡に突 入する。さすが大型船の行き交いが多い。多種な大型船の船 体の姿を楽しみながら航路ブイをかすめかすめ 6 ノットで進 む。さて、視界に関門大橋が入ってから、潮流標示灯の内容 を考えたり、巌流島での武蔵・小次郎を思い浮かべたりでさ らに瀬戸内海に近づく。
思いもかけず門司港・外埠頭に気高な 4 本マスト日本丸船首がこちらを向いているのを認める。ゼーファーラ ーは航路を九州寄りに変えたばかりで、大型帆船の間近にコースをとれる。ブローを受けてヒールしながらす ぐ横を滑っていくなか、4 本マストをシルエットに売れっ子ジュニアの撮影会と化す。日本丸の船尾に抜ける と手を振って離れた。ジュニアに構っていると時間が早い。瀬戸内海側の潮流標示灯では「向潮 5 ノット」と あり、エンジン回転をアップして大橋のたもとを進む。這うほどの進み具合でやっと激流を乗り切る。
11 時、瀬戸内海に抜け落ち着いたころデッキでの昼食になる。随分前より杉山シェフがキャビンからいい香り を漂わせていたミートソーススパゲッティとフランスパン、温かいウィンナーなど並びと、一同そろってゆっくりと味わう。至福のときがながれる。
ただ、2時間もすると早くも天候の変化、雨がぽつりぽつり降り始める。幸いにも対向船のなくなった航路をメインセールと機走する。ワッチで朝から外にいる佐竹・日野・鳴戸で日没までならと、強さの増す雨の中の航行を続ける。
いつまで経っても風と波が正面寄りなのは嫌になる。もう海峡を抜けた後はオートパイロット任せのままだがバウが突っ込むのをトリムする。進路を祝島に向け東進するほど雨が激しくなる。RCC ラジオの野球中継が流れて、今日も広島カープが勝利したのを片耳にぼんやり聴くが、まわりの船影に神経を集中する。土砂降りで 2~3百メートル視界となるともう前のみ注視するしかない。こちら は 5 ノットで進んでも相手は 20 ノット以上だろう、その遭遇の対処はそのときの最善で考えるなどと思って いると山本氏が顔を覗けてワッチしてくれる。さらに渡海さんが号鐘の用意と、人が大勢になると心強い。 午後 6 時半、雨足が少し弱まるが薄暗くなるころ対向船や併走船が現れはじめた。杉山君を加えたメンバーか らワッチの交代コールがある。限界状態に近づいていた私は、すぐにキャビンの中に下がる。横になり半酔い のまま眠れない状態であれやこれが頭の中を巡り回っているうちに到着したのでデッキに出る。21 時 20 分平 郡に。
私はバースに横たわった 3 時間のワッチ者の苦労は知る由 もなし。地元の漁師さんに当夜東の風に向いた定期船発着 隣りを案内され、ゼーファーラーを舫う。遅くなったが平 田シェフ特製アツアツの煮込みうどんをおなかに詰める。 長い一日だった今日も疲れた!
南西諸島クルーズのような訳にならない、追っかけてきて からの、今年のクルーズは晴れ間がないので気温が低く半 そでシャツ 1 枚短パン姿に誰もしなかった。
5月5日(土)見島から広島の廿日市港まで乗船した小学 3 年生のレポートです!
日本海クルージングに参加して
五日市南小3年3くみ ひら田 あた理
ヨットと、コンテナ船と、タンカーと、海上保安船と、フェリーと、帆船と、か物船と、バラづみ船と、かん光船と、高そくていと、ゴムボートと、木ざいうんぱん船の 13 しゅるいでした。まるで、船の図かんを見ているようでした。その中で、帆船の日本丸を見られたのがうれしかったです。日本丸は、門司港の港祭りに来ていました。ぼくが、かじをにぎって近くに行きました。日本丸は、大きかったです。マストが 4 本もありました。海上保安庁のじゅんし船もとなりに来ていました。大きくなったら、ぼくも日本丸にのりたいです。その後、関門橋をくぐって瀬戸内海 にはいりました。はじめての日本海は、風と波が強くてちょっとこわかったです。
第 13 日目 5 月 6 日(日)レポーター:山本孝司 最終日、の前夜
4 月 29 日から参加し 3 日間ラットも包丁も手にしない クルージングは初めてでした、日本海に浮かぶカルデ ラ火山の島隠岐から・・・海里、先日、室津港より瀬 戸内海に入り姫島に停泊予定であったが、昼間は 0.5 海里程度まで霧のため視界が悪くなり夕刻の予報では 明日は、低気圧が四国沖を通過する予報が有り少し足 を伸ばし平郡島に予定を変更する。
1930 夕闇が深まり幸いにも視界が良好になる、ワッチ は渡海、杉山、山本の 3 名でスキッパーを渡海氏に任せ両舷ワッチで祝島南端を目指す、本線航路のブイを確認しながら祝島通過後本線航路を横切り八島の北側を 航行中 6 時の方向に追い越し船有り、マスト灯と赤色灯を確認し後方より接近中の本線の行方を見守りとゼーファーラーの後方を通過すると判断した、その船はやがて赤色灯が見えなくなりマスト灯のみの灯火で青色灯無しで物凄い 勢いで 0.2 マイル斜め後方から水中ジェット2基掛けの高速 艇が通り過ぎていった。
その頃から平郡島の港の明かりが鮮明に確認出来た、港に近付 くとなにやら状況が変で防波堤が又延長されていた、何時もの ように旧連絡線の船着場に係留し一安心していると地元の漁 師さんが「今夜からの風は西側に変わり強く吹きそうだから此 処に係留すると明日の朝には離岸できなくなるだろうから、古いフェリー乗り場に係留したほうがええ」と言われ小雨の中、移動することにした、其処は私たちが今回最初 に係留した場所から 2 代目、3 代目の船着場で、沖の防波堤が段々伸びるたびに船着場も移動していったとい う、今は、4 代目の船着場が出来上がっていた。
荒天準備にボラードに舫をとるが擦り切れ防止のためチェーンを利用し万全を期した、今夜は佐竹漁労長に漁 を頼もうにも餌を仕入れる店も締り新鮮な魚は手に入れることが出来なかった。それでもゼーファーラーの厨房では 2 名のシェフが・・・・を作り今夜もご馳走をいただいた(感謝)5 月 6 日最終日、ゆっくり朝起きると予想外の天候で風も弱く雨も無くうす曇りの平郡島を出港する、瀬戸内海に帰ってくると全員元気である、大畠の瀬戸を逆潮で通渇し最後の昼食を島影ですることになり甲島に決定する、この島は今を去ること30数年前の忌まわしい記憶のある島で岩国の海上保安庁にお世話になった事を思い出す。
今日のランチはチーズサラダと杉山シェフのパスタ、デザート付、釣り舟の観察をしたりこの島に放牧されているという牛が見えないかなーと、ゆったりとした時間を過ごした。
此処から先は、母港まで約 2 時間、何時ものように船内の片付け備品の整理ごみの仕分けを行い全員無事に 4 号桟橋に到着し皆さんお迎えの車に日本海のお土産と思い出話持って雨の中解散した。
私事ではありますが、4 月1日に転勤し、現場を見ることになりゴールデンウイークの中日に休暇を入れる事 が困難な状態で、今回のクルージングには参加できないと思いあまり、準備しなかった事を反省しています。
古き友、新しき友人とのクルージングは楽しいものである、 ゼーファーラーのメンバーも高齢化が進むと又楽しみも増 えるもので、忙しいけれど時間に余裕が出来たメンバーが居る事で足を伸ばすことが出来るようになり大変感謝してい ます、来年も又「忙しいでしょうけれど」私達を遠くに 連れて行ってください来年も企画するぞー。
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