4月29日(火)晴れ 平戸港 奈良尾港 43マイル 途中乗船2号原(渡海、佐竹、山本)
昨日午後、昨年の隠岐航海以来、1年ぶりにゼファーラーに平戸港にて乗船。28日朝、連休で帰省中の実家のある島根県益田市から JR の特急列車、新山口から新幹線と乗り継ぎ、博多から長崎経由、ジェットフォイルで福江島の福江港で乗船の予定であった。ところが、今回の航海のハプニング続きで、前々日の27日昼渡海さんから、寄港予定港を福江港から平戸港に変更するとの連絡が入る。あわてて地元の本屋で長崎の地図を購入し平戸港の位置を確認。時刻表を立ち読みし、肥前山口から松浦鉄道にて、日本で一番西端の駅である「たびら平戸口」駅で下車、そこから平戸大橋を渡って平戸港に向かえば良いとわかり、一安心。
午後2時半過ぎ、益田から列車を5回乗り換え、最後は一両編成の松浦鉄道の列車から「たびら平戸口」駅に下車。駅構内の売店の店員に平戸港への道を尋ねると、山道を10分歩いてバスに乗るか、駅前からタクシーを使うかの二つ方法しかないとかで、1週間の着替え持参の身では歩く気もせず、タクシーで港に向かい、既に着岸していたゼファーラーに乗船したのである。港の付近は、観光客と思しき者を大勢見かけたが、この人たちは何を使ってこの地に来たのか不思議に思えた。
夕方、明日合流予定の平田君から連絡が入り、当日夜博多港を出て上五島の島々に寄航する野母商船のフェリーを使うとのことで、港のそばに入浴施設のある、中通島の奈良尾港が明日の合流場所となった。平戸港から43マイルである。
早く迎えに来いとの平田君からの指示により、5時過ぎにはトーストとサラダの朝食を摂り、5時45分出港。平戸大橋に向かうと正面東側の尾根から太陽が顔を出し始める。風も微風で、波もなく6時5分平戸大橋を6ノットで通過。順調に思えたが、オートパイロットの調子が悪く、7時過ぎ以降は解除して航行することとなる。風は微風ではあるが、ほぼ真正面のためジブセールを途中2回広げたり閉じたりでスピードが上がらず。平戸島の東岸に沿って南下する。岸辺はもやがかかっており、はっきりと見えず。平田君からは「朝6時に中通島の青方港の入港し、フェリー待合室で仮眠後、バスで奈良尾港に移動し、着岸場所を確保したので早く来い。」との矢のような催促が続く。同昼食も食べずひたすら奈良尾港に向かう。11時半、相ノ島横を通過し、奈良尾港手前の福見崎を横を航行中、平田君から「マストが見える」との連絡が入る。実際には見えたのは30分程度前に入港した大阪のヨットであったが、待ちくたびれて平田君も幻覚が出るようになったかと一時は心配する。
奈良尾港入港直前、長崎から福江に向かうジェットフォイルが奈良尾港に入出港する。すぐそばで見るとパワーあふれる走行時の迫力が違うものである。 午後1時フェリー乗り場奥の浮き桟橋に平田君の誘導で着岸。
上陸し、散策をかねてフェリー乗り場前の食堂で昼食。「ちゃんぽん」は一名分しかなく、早いもの勝ちの弱肉強食の世界・・で、残りはもう一つの名物「五島うどん」で遅い昼食。その後レンタカーを借り島内観光に出発。樹齢600年強の「あこう樹」、中通島と西側の若松島をむすぶ若松大橋、飛行場のそばにある頭ヶ島教会を見学。夕食の食材の買物をし、山の尾根に建っている温泉センターで入浴。船に戻り、有川港で仕入れた鯨とイカのオードブルでスタート。飲み物は赤・白ワインにビールに焼酎。平田シェフのおかげで満足の一日でした。
4月30日(水)晴れ 中通島奈良尾港~宇久島フィッシャリーナ 31マイル
途中乗船3号平田(渡海、佐竹、山本、原、平田)
昨日、博多からフェリーに乗って五島列島に到着。奈良尾港でゼファーラーに合流した。フェリーは博多を夜の 12 時前に出港して中通島に朝 6 時に到着。予定ではゼファーラーが先に到着するはずだったが強風で遅れている様子。回航メンバー(?)には申し訳ないが、こちらは寝ている間に五島列島に到着できてらくちんな船旅だった。さて、本日は 6 時前に全員元気に起床したものの、あいにくの濃霧。ジェットホイールも欠航している。出港を延期して、ゆっくり朝食をとることにした。今日のメニューはゼファーラー特性尾頭付き和定食。炊き立てのご飯と鯵を美味しくいただいた。
メインセールの補修作業をしていると、この霧の中で 1 隻の漁船が入港してきた。見ると大きなレーダーを付けている。漁師さんに聞いて見ると、30 隻もの追尾機能があるすぐれものだそうで、レーダーだけでも 500 万円もするそうだ。すごいですねえーと褒めちぎっていると、イカを下さった。さっそく干して夜の酒の魚にすることにした。昼食を済ませたころ霧もだんだん晴れてきて来たので、やっと 12:00 に出港できることになった。どこまで行けるかは?だが、取りあえず中通島と若松島の海峡を北上することにした。このあたりの海域はリアス式海岸で半島や島が入り組みあっており、瀬戸内海の多島美とはまた違った美しさがある。景色を楽しみながら穏やかな海面を上げ潮で走る。本日のセーリングは最高だ。ついに今回のクルージングに合わせて購入した船外機付ゴムボートがデビューすることになった。このゴムボートは山本さんのいつもの衝動買い癖のたまもので、名前はアタリ号と命名した。(私が勝手に)さて、美しい海峡を帆走するゼファーラーの姿を写真に収めようと、山本さんと私がゴムボートに乗り込んだ。ゴムボートでゼファーラーに伴走しながら、私は意気揚々とカメラをかまえた。すると、何んと言うことでしょう。ファインダーの背景には素晴らしい景色、そこにタオルや靴下が干してある生活観溢れるゼファーラーの姿が・・・回航メンバー(?)のみなさまロングクルーズお疲れ様。
そんなこんなでクルージングを楽しみながらも意外に船足が延び、17:00 に五島列島の最北端の島 宇久島のフィッシャリーナに入港した。ゆっくり温泉に浸かり、今夜も遅くまで宴会。これだからクルージングはやめられまへん。
5月1日(木)晴れ 宇久島フィッシャリーナ停泊 原(渡海、佐竹、山本、平田)
予定より 1 日早く宇久島に着いたため、本日は島内観光となる。宇久レンタカーのワンボックスカーに乗車し、まずは島内の観光案内を入手すべく、港のターミナルビルに寄り、地図や観光案内を探すが、欲しいものが置いて無い。他の寄港地でも同様だが、五島列島は情報が少ない。市販の観光案内書も長崎が主体で、島々の部分はごく僅かであるのは残念である。時計と反対周りに、島の北端の対馬瀬灯台に向かう。灯台下の岩場で、平田シェフが味噌汁の具に亀の手を獲る。その西方の三浦神社ではソテツの巨樹を見学。神社の由来の看板の最後に「ソテツの葉一枚、石ころ一つたりとも持ち去ってはならぬ。逆らえば大風が吹く。」とあったが、「実のことには触れていない。」と、梅干大のピンク色のソテツの実を数個持ち去った御仁がいた。続いて「五島富士」とも呼ばれる島で一番高い城ヶ岳(298m)に向かう。山頂の展望台からは、対岸の小値賀島や中通島の島々が霞んで見える。
霞んでいなければ平戸や対馬まで見えるそうだ。この島は他の島と異なり平地が多く、水田の田植えが終わったところであった。昼食の弁当を手に入れるべくコンビニを探すが、このような島には見当たらない。いったん港まで戻ったが、三軒目のスーパーでやっと見つかる。好みの弁当を手に入れ、島の西端の景勝地の火焚崎に向かう。ここは壇ノ浦の戦いに敗れた平家盛が、宇久島に上陸した地で、火を焚いて暖を取ったので「火焚崎」と呼ばれるようになったとの事。高台より、瀬渡し船が対岸の小島に釣り人を降ろすのを見ながら、今から何時間釣りをするのか考えながら、早めの昼食を頂く。
午前中で島内観光も終了し、船に戻り各自昼寝をしたり、本を読んだり自由時間。午後 3 時、バースに 2 隻のクルーザーが入港。うち 1 隻は渡海さん達が今回の航海途上、新下関のマリーナで会った船(PITCH&RUNⅡ)であった。昼寝から覚めた山本さんが、昨日もらったイカをさばき、竹串に挿して、一夜干しに加工する。
明日は対馬までで朝早い出港なので、早めの風呂と、早めの夕食。本日は豚シャブと雑炊であった。美味しくいただき、午後 8 時には寝床に入る。
5月2日(金)晴れ 追っかけ組: 杉山&平田与理
遅ればせながらゴールデンウィークのクルージングに参加した。20:53 の新幹線で博多まで行き、博多から九州郵船のフェリーで対馬に向かう。博多駅から博多港のフェリー乗り場まではタクシーで 1100 円15 分くらいで到着した。明日から「どんたく」なので動けなくなるそうだが、今日はまだ込んでいない。
フェリーは 23:40 発で対馬の厳原到着は明朝 4:10 の予定だ。1等船室を予約していたのでチケットはスムースに交換できたが、乗船は 20 分前からとのことで待合いでしばらく時間をつぶす。乗船は2等の自由席の人たちと混じっての乗船でかなり混雑している。本日は超満員です。1 等は 4 畳半と10畳くらいの部屋がそれぞれ3・4室くらいで、一人 1 畳くらいのスペースで枕と毛布が準備されている。1等エリアのところでボーイが部屋の割り振りをしてくれる。まっ、結局は空いているところに適当に入る。1 等エリアの更に上には1等専用のサロンがありちょっとリッチな気分だ。
あらかじめ連絡していたため、先発隊がレンタカーで迎えにきてくれた。早朝だというのに与理君をつれていたおかげで、パパは頑張ってくれたようです。早朝にもかかわらず厳原港周辺は大渋滞だったそう。迎えに来てくれたのはパパだけかとおもいきや、車には全員がそろっている。そう、これから対馬「弾丸観光」の開始です。
5月3日(土)晴れ 対馬海の駅(竹敷湾)停泊 杉山(渡海、佐竹、山本、平田、与理)
早朝、厳原港からまずは朝もやけぶる韓国を見に最北端の韓国展望所にいった。残念ながら春かすみで韓国は見えなかったが、夜は街の明かりがすぐそこに見えるくらいの距離らしい。周辺にはヒトツバタゴ(別名ナンジャモンジャ)の白い花が沢山さいてとてもきれいだった。その後、すぐ近くの豊砲台跡を見学。第二次大戦末期に戦艦の「***」の砲台を据えて海峡の制海権を確保しようとの計画だったらしいが、一度も発射されることなく米軍により破壊されたらしい。
次に、琴(きん)の大銀杏を見学。元もと周囲 12.5m もの巨木で雷で2つの裂けたが、昭和25年のキジア台風で主木が折れたが、「沖より見れば茂りて山の如し」と詠われる現在も青々と茂っている日本で2番目の巨木です。次が赤島、広島の向洋からの移住者が開拓した土地で、赤島大橋の下はエメラルドグリーンのとてもきれいな島でした。朝食の食べられる店がないまま島内を走り回ったが、結局スタート地点に戻って厳原のスーパーで買い物を兼ねてレストランにて随分遅めの朝食を食べた。そのご港に回り厳原港で停泊できるところが無いか漁師さんに問い合わせて歩いたら良さそうな処が数箇所ほど見つかって明日こちらに移動して 1 泊することとした。
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