第七日目:5月2日(金)航程:日和佐港~43M~日出湾 天候:晴れ
波高:0~0.5 風力:0~1
~日和佐沖でクジラに遭遇~
朝食に欽也特製の、「鳥南蛮そば」をいただいて、原さんを日和佐駅までお見送り。
8:10 日和佐出航。出航後、北東に3マイル程度進んだところで、右舷後方から、「プシュー」という音が聞こえた。振り向くと、30m位向こうに、イルカの背びれのようなものが見えた
船の針路は北東。クジラは船に対して30~45度くらいの角度だった。そう、東に進んでいるように見えた。船を転針させ、東に向かう。なかなか出てこない。しばらくすると右斜め後方300mくらいのところにクジラの背中が見えた。
後方? あれ? そう、クジラは進んではいない。さっきとほとんど同じ場所にいる。たぶん食事中のようだ。船をさらに転針させて戻る。渡海さんがカメラを構える。私も、高速連射モードにして構える。
先ほど見えたあたりに着いた。 出てこない。 エンジンはアイドル程度でじっと待つ。
その時、船の真下の海面が乱流となって盛り上がる。すぐそばまで来て方向転換したようだ。
やっぱりいる。
しばらくすると、また背ビレが見えた。2頭いる。10mくらいに思えたが、実際には7~8mか?イルカにしては大きすぎるのと、動作がゆっくりしている。ガイドブックによると、ニタリクジラと判明。最大で15mくらいになるらしい。マッコウクジラと違い背ビレがある。高知沖のホエールウォッチングでは、もっともポピュラーな種類のようだ。
その後、何度か浮上してくるのが見れた。写真も撮れたッ!イヤ~ッ!! 満足! 今回のクルージングの最大の目的は達成できた。
クジラも出てこなくなったので、一路、小鳴門へ。阿南沖で昼食。私特製のバラ肉のワイン煮。キリッと冷えた白ワインで乾杯ッ!豚バラ肉を厚めに切って、表面を焦げ目が着く程度に焼いて、赤ワインと醤油とマーマレードで煮込んだもの。
昨日作って、一晩寝かせて、朝に固まっている脂肪を取り除いているので一応ヘルシー?たっぷりレタスと一緒にパンに挟んで食べると、我ながら絶品です。
午後はいよいよ小鳴門に到着。最大干潮時刻はとうに過ぎているが未だ逆潮!
渡海さんたちは昨年も通ったし、それ以前にも何回か通っているようですが、私には初めてである。WiKipedia によると、海峡の最大幅は約500m、延長は約8km、水深は5~21m。南部でスクノ海と、中間部でウチノ海と繋がっている。南側から入った場合だんだんと幅が狭くなる。最後の最狭部は幅100mくらいで、東側は砂浜になっている。音戸の瀬戸が、曲がりくねって3km くらい続いているような感じである。あっちこっちにブイもあるので、潮止まりでも、夜間は恐ろしくで通れない。
小鳴門を出て、西に転針。
16:30 日出湾の南西側の堤防に横付け。ここは、名は無いが立派な港で小船が一パイ係留してあり、港の中はガランとしている。周囲には何もない。街灯さえないので、夜には綺麗な星が期待できる。ここでは外食はできないので、鴨肉の燻製、ギョーザ、サラダと、多国籍料理で3人で大宴会。
第八日目:5月3日(土)航程:瀬戸町日出湾~48M~多度津港
天候:晴れ 波高:0.5~1m 風力:1~3
5:30 起床。渡海さんが朝日の写真を撮りに行った様子。私も起きて船上からパチリ。何たって日出湾ですから。朝食は前日購入していたコンビニの惣菜パンとスクランブルエッグ、スープで済ませ、7:40 出航。鏡のような海面を進路北西。定置網が陸地側から北に向かって何箇所か設置してあり避けながら走るが気を遣う。今後は、港を出て北に向かい本線航路まで出て西に向かう様に覚えておこう。風が冷たい。小さな前線が通過中か?天気はいいのにかなりの強風が正面から吹き募る。
小豆島の南を通過して、さらに西北西へ。欽也はバースでぐっすり寝ている。渡海さんと二人で、本日の昼食はカップラーメン。
欽也が起きてきて、渡海さんとワッチ交代。逆潮と真上りの風でなかなか進まない。
途中2.5ktまで低下、ナビの到着予定が18:30くらいにまでなることも。
瀬戸大橋をくぐって、多度津港に転針16:30 到着。桟橋には、ここからまた乗船する佐竹さんの姿が。
港からタクシーで、お風呂に。夜は居酒屋で、丸亀名物、骨付き鳥辛焼き。高血圧の欽也には殺人的な味付けである。辛いというよりはショッパイ。塩をなめているようだった。私はどうにも好きになれない。味付けと焼き加減に失敗した料理としか思えない。ビールは確かに進むが・・。逆に言えば、ビールなくしては食べれない。讃岐うどんのように、出汁を効かせた薄味の食文化の反動か?行った店には、辛焼きに対して甘焼きなるものがあった。醤油と砂糖で甘辛く味付けしたものであるが、こちらは早々に売り切れていた。(こちらの方が人気がある。実はこっちの方が名物なのでは?) とり足は無かったが、スペアリブの甘焼きはあったので注文。こちらは実においしかった。
船に戻ってさらに宴会。いや~、最近果てしなく飲めるな~!!
第九日目:5月4日(日)みどりの日 航程:多度津港~48M~三原港
天候:晴れ 波高:0.5~1m 風力:2~3
多度津港で迎えた朝は快晴、今日の海は穏やかだ。港近くで7時から開店している讃岐うどん店「こがね製麺所(Tel0877-32-1077)」へ<モーニングうどん>を食べにゆく。朝から肉うどんやてんぷらを食らっていると、次々に客が訪れほぼ満席となる。うどん県恐るべし!
早々に出港し、進路は北西、東の風5mを受けながら気持ち良いセーリングで三原港を目指す。途中、次々に現れる定置網やはえ縄的な網を避けながら順調に因島大橋手前まで来た。見ているとなぜか各船が橋の左端を目指すのでこちらもそれに習い因島大橋をくぐり抜ける。晴天にも関わらず天空に虹を発見!なんだか縁起よい予感がする~。予定より早く1300三原港「海の駅」に舫いをとる。昼食は杉山シェフ絶品のトマトソースパスタ+美味しいワインを堪能した後、読書をしたり、DVDで映画を見たり、昼寝をしたりと、それぞれのリゾートタイムを楽しんだ。夕食は三原名物のタコ三昧。昨年開拓した隠れた名店、港近くにある「登喜将(0877-32-1077)」へいざ出陣。ちょっと贅沢なタコ懐石コースと地酒酔心を堪能、これぞ地産地消。これだからクルージングはやめられませしぇ~ん。
2000 時、港から歩いて5分の三原駅に、本日下船する杉山シェフを見送った。色々な船メシご馳走様でした。
第十日目:5月:5日(月)こどもの日 航程:三原港~22M~安浦海の駅(グリーンピア瀬戸内)
天候:雨のち曇り 波高:0.5 風力:1~2
雨音で目覚める。天気予報では昼まで雨が降り続くとのこと。再びバースに戻り朝寝を決め込む。
0800 頃起きだし、港の前の 2号線を挟んで向かいにある「三原駅前食堂(0848-64-2603)」で贅沢な朝食タイムを過ごす。朝からバラ寿司、焼き魚、温泉卵、もずく、酢の物、味噌汁を頂き、体重計が脳裏をよこぎりながらも満足、満足。
1100 雨が止んだので三原港を出港、安浦を目指し西へ向かう。右手に幸陽ドックが見えてきた。数基のゴライアスクレーンにKOYO DOCK YARDの文字とIMABARIの文字が並んで見える。そういえば今年の2月頃、幸陽ドックが今治造船と合併して今治造船の広島工場となったのを思い出した。日本の造船業界も大変なようだ。曇り、南西の風、風速 5m、波が穏やかなので順調に進むものの、今日はとても肌寒い。コックピットに暖房をいれてお昼はラーメンで温まった。
1510「グリーンピアせとうち(0823-84-6622)」桟橋に舫う。大阪から40フイートクラスのヨットが次々に到着し、桟橋は賑わった。本日ホテルは予約でいっぱいだそうで、食事は既に受付終了。風呂だけお世話になり、夕食は残り物食材の船メシで一杯、最後の晩餐をゆったりと楽しんだ。あー帰りたくないよ~。
第十一日目:5月6日(火)振替休日 航程:安浦「海の駅」(グリーンピア瀬戸内)~28M~廿日市港 天候:快晴 波高:0.3~1m 風力:0~2~4
昨夜は我が艇を含めヨット4艇が桟橋に停泊していたが、関西からの2艇は0800過ぎにひろしま観音マリーナに向けて出港した。もう1艇は新居浜からのご夫婦で朝少し話をさせていただいた。0900新居浜に向けて出港された。我々の出港は0930、本日は距離が短いのと満干潮の差が1.5mと少ないので、ゆっくり時間で出港した。音戸の瀬戸まで14マイル、猫瀬戸に掛かる安芸灘大橋を潜り、音戸ノ瀬戸は少しの向い潮で1200通過、瀬戸の渡し船「かもめ」は前方を横切るが、対抗船はなし。
廿日市港の帰着には時間的余裕があるので、昼食は「ひろしま観音マリーナ海の駅」の<マリーナ・マリオ・エスプロッソ>に寄ることにした。音戸の瀬戸を抜けてから日新製鋼横を通り呉港を右に見ながら、小麗女島から江田島寄りに斜めに急いで横断し、牡蠣筏に沿うように走る。この辺は四国航路の高速艇やフェーリと、広島宇品から江田島小用への高速艇が頻繁に通るので早めの航路横断が肝心、その後、切串灯台、峠島の右を通り抜けると急に風が出て来た。マリーナの入口で帰投中のスループディンギーと並走となるが素早く抜け右に転舵。
1330 ひろしま観音マリーナ桟橋に横着けし、事務所に届け出る。係留費3180円。平田君が早くから船内掃除をし、トイレも綺麗にして「トイレ使用禁止」などと言うものだから・・・ムゥゥゥ・・・駆け足で便所に駆け込み、オシッコ!
<マリオ>ではスパゲッティ大盛りを二皿と、ピザ一枚にワインを一瓶3名で分けあって昼食をゆっくりと頂いた。最後のレグワッチは私でしたのでアルコールは遠慮となりましたが、満足の昼食でした。1510無事に廿日市港へ帰還。沢山の荷物を降ろしデッキを水洗いして1600解散!楽しい11日間が終わってしまいましたが、四国南岸の最後のところで念願の鯨が見られ、昨年のリベンジが達成出来とても満足、途中で下船された方々に申し訳なく思っております。残り者(物)に福、ラッキー!
今回クルージング中のトラブルは、ジブファーラーのドラムから巻き取りロープが外れ上側に巻き付きそれに気が付かずに一生懸命に引っ張ったためかドラムとレールの継ぎ目が破損し、ファラー機能を失いました。数年前にも同様な事が起きておりますが、この廻の部品は華奢すぎと思います。また セールを外し取り込む時に時間が掛かり過ぎてリボンが見える透明窓が破れてしまいました。
数年前に自作しておいた、ジブファーラーの上からも取り付けできるストームジブが、今回やっと役に立ちバウのセールロッカーのゴミにならなくて良かったと思いました。それと失敗談を一つ、二日目佐田岬漁港から土佐清水を目指していたクルージング中にコーヒドリッパーのフラスコが棚から飛び出して床に落ち粉々に割れてしまい、ガラス掃除が大変だった事と、それにより床を這いずり回った杉山君と共に調子が悪くなり、それまでの揺れで、みんな食べ物が食べられないでいる中、わたし一人で、隠れて食べたチョコレートを数口ほど吐いてしまい、あー勿体無い、そして罰が当たったかなーと思いましたが、このことは今後、食器の固定の仕方や材質選びの教訓とすべきです。瀬戸内海の延長の気で油断して、<荒天準備>できていなかったです。
最後に、海の幸の外食も美味しかったが、毎度の船内で美味しい食事、ほんまに<ごちそうさん!>でした。杉山君と、平田君に感謝!! 次回のクルージングも宜しく。
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