9 月 18 日(土) 天候:晴 風力:1
参加者:渡海・山本・杉山・平田(事務長:自称 平田トラベル) レポート:渡海雄二
0700 時 廿日市ボートパーク出港、広島はつかいち大橋をくぐり貯木場角の灯台を通過した所で、キャビンにて海図パソコンの準備をしていた私の耳に警告の声、コックピットに出てみると艇長の山本はじめ、杉山、平田の三名とも気になるものを見てしまった様な「気がする」と話している。確かに土嚢袋のような大きさの白いものが後方に浮いて見える。それならと引き返して見ることにし、舳先に乗り出て確認すると、白いシャツに紺色のズボンと白いズック靴で、小柄な髪の短い男性がうつ伏せに浮いている。中学生時代に友人と近くの水門から男の子を引き上げて以来の出来事である。
大畠の瀬戸の潮止まりの時間も気になるが、このまま見過ごすわけにも行かず。全員で合唱したあと 0714 時 携帯電話で「118」通報し事情説明、取敢えず見張りをしていてくれとの事で、ワッチしていると、広島西警察より電話、また 暫くして消防署より電話、潮が動き始めて西に漂流し始めているので見失わないように移動していると、陸上では消防車3台と、救急車2台、パトカー1台がサイレンを鳴らして駆けつけるが、ここは貯木場入口への水路と、貯木場を挟んだその沖、携帯電話で消防車より電話が入り「息をしていますか」の問いに思わず、息をしていたら助けに飛び込みますと、思わず怒鳴ってしまった。たしかに救急救命の時には息をしているかどうか確認しますので、思わず口に出てしまったのかも知れませんが、海の中でそれは愚問で、我々を木偶の棒だと思われた気がした。
通報から 40 分余りして広島市消防署のモーターボート「せと」が到着し、やっと引き上げられた。消防署の調査官が事情聴取に此方の艇に乗船され、モーターボートは桟橋へ、事情聴取が済んだ所に保安庁の巡視船「ひろかぜ」に引き続き、大型の消防艇「ひろしま」が到着し、調査官を消防艇に引き渡した所で、保安庁のモーターボートが到着し、消防艇に接舷したのを見届けて、0815 時 これ以上時間を取られたら大畠で逆潮になり予定が遅れますので、後は消防艇にまかせて再出発、大急ぎでメインセールとジブセール展帆、機帆走 6.8 ノットで岩国沖を通過し、大畠の瀬戸は 1200 時 通過、上関の向かいの室津港 1330 時 入港、平生港には風呂が無いので、本日はここに停泊することにした。
本日の朝食は、サンドイッチにコーヒーでしたが何時ごろ食べたか、なんだか忘れました・・・
昼食は平田君の手料理「冷やし中華」をいただきました。一服して、平田トラベル(ゼーファーラー事務長)何時もの旅館「四階楼」に連絡し風呂の予約、その後港近くの上関大橋を徒歩で渡り、上関の朝鮮通信使の寄港や江戸時代に藩の番所で栄えた観光名所を訪ね歩いた。橋の袂では竜宮神社に参拝し、今朝、偶然にも出会った人のご冥福と、航海の安全を祈った。
境内では立派な蘇鉄の雌花が咲いていたので、大黒神島で咲いていた蘇鉄の雄花を思い出してしまった。港からは登ったり降りたりと、旧跡も間違って石段を上がり降りして疲れ果ててしまい、要時間 3 分の連絡船(90 円)に乗って向かいの室津港に帰ろうとしたが、待ち時間 1 時間 30 分と成るので、待ち時間 30 分の防長バス(160 円)で帰ることにした。
本日は、上関の天婦羅屋さんも、室津の天婦羅屋さんも売り切れで、早仕舞いしていてとても「残念」でした。明日の平生港回天記念館見学に備え、市川海老蔵演じる「出口の無い海」を見ながら夕食となった。純真無垢な若者の尊い命を奪った戦争の「非情」、「残酷」、「無念」、「むなしさ」が、そしてあの時代の若者の「いさぎよさ」が感じられました。その後 上映は一転して佐藤浩一主演の「マジックアワー」と続き、珍しく遅くまでの 1100 時で閉幕と成りました。
9月19日(日) 天候:晴れ 風力:1
昨晩は久しぶりに皆さん遅かったので起床は 0700 時近く、ゆっくりと洋定食の朝食を頂き、0830 時出港 行く先は 7 マイル先の平生港、1000 時前には平田トラベル調査の岸壁に接岸、途中馬島の港を偵察の予定であったが、グーグルアースの写真で見た港の大きさと実際の港の大きさが倍半分であるのでと、浅そうなので入港は急遽取りやめとした。
本日 ここ平生港で合流予定の山口、中野乗艇のヨット「シーホライズン」に電話連絡してみると夜明け前に出港し、すでに大畠の瀬戸に差し掛かっているとの事、昼過ぎには到着しそうなので、昼食を一緒にとることにし、午後に記念館を訪問することにした。
それまで港の中の文島にある明神さま「百済部神社(文島竜神社に合祀)」に参拝し、運動がてら町を散策することにした。この町の現在は工場が多く、あとは古くからの住宅が旧道路沿いに細長く 伸びていて、係留 太鼓橋を渡り文島にある明神さんした場所からは店舗など稀である。また 売り地の看板があちこちに目に付いた。炎天下、歩きつかれて冷たいものを売っている店を探すが、なかなか見つからず 1.5 キロ近く歩いた所で引き返すことにし、帰りは港沿いの広い道路を通ることした。港と河口の中ほどに大きな橋が掛かっており、橋の袂にはボートパーク施設や公園施設があるが、我々のヨットは橋の下を潜れそうにない。港近くになって雑貨屋さんがやっと見つかり、氷のブロックとアイスキャンディーを購入し係留ワッチの山本君への土産とした。
1300 時前 「シーホライズン」が無事に入港し、6 人でテーブルを囲み、平田君が昨晩仕込んでおいた「もつ鍋うどん」を美味しく頂いた。港から 10 分余りの回天記念館を訪問し、記帳をしていると3行先に我々と同じ廿日市市から訪れておられる方が記帳されていて驚いた。昨年 訪問した大津島の回天記念館ほどの展示品ではなかったが、心を打たれる展示品が数多く展示されていた。
1500 時 平生港出港、港出口から西に出たいところだが、暗礁や浅い所があり遠回りすることにした。馬島、佐合島の東側を通り今夜の停泊地、10 マイル先の室積に向かう、風は穏やかで日よけテントを張ったままの機走にて 1640 時入港、「シーホライズン」は私たちと違いヨットらしくセールを揚げて頑張っていた。今夜は「かんぽの宿 光」にて入浴と、懐石料理を「敬老会」の私と山口さんのために平田トラベルがすでに用意してくれているので、山の中腹にあるにも拘らず足取り軽く到着、大きな展望風呂と、懐石料理で満足、満足。
9 月 20 日(月) 天候:晴れのち曇り 風力:1
早朝散歩に杉山、平田の 3 人で出掛けた。山本君は我々より一足先に散歩してきたようである。海岸沿いの公園前を通り、石灯籠が 2 基ある突堤に差し掛かると、その突堤の延長線上に立派な二層の山門が見えた。参拝して見ると峨嵋山普賢寺の社寺名あり、珍しく周りに堀がめぐらされたもので、ボラや亀が泳いでいた。拝殿の裏に別棟で内陣が附属しており、神社作りのようである。
長い歴史の中で神社であったり、お寺で有ったりした事もあったことだろう。それにしてもお寺の地所は広く西側に庫裏と本堂がまた別にあり、小さいながら雪舟が作ったと言われる庭もあった。また 拝殿の天井には十二支の彫刻と回転する矢印がつけてあり牛の彫刻の方を指していた。
ここで朝食の支度のある平田君は一人ヨットの戻り、ここから杉山君と私は1.5km 先の象鼻ヶ岬を目指す。途中 散歩中の人達やジョギング中の人たちと挨拶を交わしながら歩くが、中々先が見えずアゴを出しそうになる。それにしても地元のお年よりは息も切らさずに元気なものである。岬は象の鼻のような形をしており、山口県で始めての灯台や外国船の侵入に対して室積台場(大砲施設)があり、大師堂もあった。山口大学附属小中学校の校庭の裏から岬の大師堂までの間には四国霊場八十八ヶ所ならぬ、赤い帽子を被った石のお地蔵さんが八十八ヶ所あちこちに佇んでいた。
私は少し疲れたので、杉山君に港から岬まで海上タクシー「あたり号(ゴムボート)」を呼ぶ提案をしたが、毎朝 自転車通勤の彼に却下されてしまったので、しぶしぶと帰りの 2.5kmを歩いて帰ることにした。港近くまで帰ってくると、携帯電話が鳴り朝食の準備が出来たとの事、急いで帰り和定食を頂き、予定出港時間の 830 時を 15 分遅れて出港となった。
室積はあまり風が吹かないとのことで、昨夜も風が無くスターンのバースで寝た山本君はだいぶ暑かったうで汗で枕がぐっしょりと成ったとか、皆から奥さん思って枕を暮らしたのではと、からかわれていた。今朝も風が有りません。
強い日差しをテントの影で避けながら上関、大畠の瀬は相変わらず「しゃきっ」してセールを揚げたり降ろしたりし戸と通過、後続の「シーホライズン」昼食は甲島西でアンカーリングしてと、打ち合わせしていたが、ウインドラスを修理中でチェーン 30mを手作業で揚げるのが面倒なのと、西風が少し出てきたのでアンカーいで、2 艇を繋ぎ、ヒーブツーしながら食事をすることにした。本日の昼食は杉山君お得意のイタリア料理の「スパゲッティー」、食事前にポテトをコショーとカレーで炒めてくれてビールを美味しく頂き、クーラーの中の残り材料で作ったサラダとスパゲティーを、ワインと共に美味しく頂きました。そうこうしているうちに程よく流れ流され岩国沖となり、2艇は離れて前方の大きな雨雲との距離を計りながら阿多田島南、小黒神島西、宮島海峡と通過し、大雨にも遭遇せずに帰港。
廿日市港の桟橋では随分激しく雨が降ったとのこと。 貯木場沖では先日発見した場所にて「お酒」を捧げ、全員で合唱して出だしは大変なことに遭遇しましたが、あとは とっても「ノンビリ」したシルバーウイーク・クルージングでした。
「皆さん またお願いいたします。」
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