このビデオ教材は舵社2005年11月号に掲載された落水者救助の記事を参考に、佐伯帆走協会が製作いたしました。
<落水者救助>補足事項
1.落水者が出た場合、最初にすること
落水者を見失わないように見張りを立て、GPSを装備している艇は位置をメモリー入力し落水場所をしっかり記憶させること、もし二人だけの艇で一人が落水して場合は、目印にフェンダーなど近くにあるものなど投げ入れ、GPSに落水場所を記憶させた後に、救助活動に掛る。
2.丸浮き輪または馬蹄形浮き輪による風下からの救助
落水者の風下よりゆっく近づき浮き輪を投下するが、浮き輪の自重による到達距離と、風の強さや波の影響を考慮しながらなるべく近くに投げる。浮き輪にロープが付いていない場合は失敗が許されないので、かなり練習しておく必要が有る。
投下して落水者が浮き輪に捕まったならば、落水者をスクリューに巻き込まないためにエンジンを停止する。ニュートラルにしただけでは、しばらくスクリューの回転は止まらないので、エンジンカットし、チェンジをバックに入れ完全にプロペラを固定する。そして波の影響の少ないところに引き寄せて素早く引き上げるが、舷側の低い艇あるいはトランサムステップが有る艇は手による引き上げを行えるが、舷側が高い艇の場合は手による引き上げは難しいので、ロープあるいはベルトにて吊り上げる。
この場合もロープやベルトは吊り上げ強度が十分あるものを準備しておくこと。
これらの活動を的確に行うためには、落水者が自由に両手を使ってロープを手繰ったり、手を伸ばせることが大事で、法廷備品の最小の浮き輪では片手しか使えず、パニックに陥っている落水者は、救助者の手や、ロープをつかもうとして浮き輪を離す場合があるので、浮き輪の中に頭と胴が入り両手が使える大きさの浮き輪が最良と思われる。
3.ロープ付丸浮き輪または馬蹄形浮き輪による風上からの救助
救助法2.で記した方法は操縦免許試験などによる一般的な落水者救助の自分で泳いで浮き輪を取りに行く方法ですが、ロープ付浮き輪叉は馬蹄形浮き輪による風上からの救助方法もあります。これは落水者がその場にじっと浮いていて、服やブーツを付けてまま泳ぐことによる耐力の消耗を抑えることが出来ると思います。
落水するとフーテイングロープ<30m>付の丸浮き輪あるいは馬蹄形浮き輪を船尾から流しながら風上から時計回りにぐるりと落水者の周りを1周するとロープの中には必ず落水者が入りますので、ロープを手繰っていけば浮き輪は必ず落水者のもとに届き、浮き輪ごと引き寄せられます。落水者の引き上げは、前記述.2.の要領にて行います。
4.最後に
究極の安全対策は<落水しない>ことです。デッキにジャックラインを張り、コックピットを出るときはコックピットのハーネスホルダーから、ジャックラインにライフハーネスを掛け替え移動するなどの移動対策と、桟橋を離れてからは常にライフジャケット装着が基本です。落水者はパニックに陥っているので、声を掛け励ましながら素早く救助活動を行うようにしてください。そしてロープは必ずフローティング(海に浮く)仕様のものを使用し、色も夜間でも見え易い蛍光色とすること。
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