廿日市港~伊予郡中~大三島 宮浦港

2010年 正月

平成21年12月29日(第1日目) レポート:日 野 廿日市港~大洲市長浜港
天候:晴れ 風力:3
まだ、薄暗い6時45分過ぎに家族のよき理解を得られた人と、家族に見捨てられた人、7人が集合・準備を行い、そろそろ明けかけた7時11分に廿日市港ボートパークを出発した。
気温1度、風は弱いがさすがに海上は寒くみんな完全防備である。宮島海峡の手前ごろから、東の雲間に朝日が覗きだし専属カメラマン約2名の撮影会が始まった。波はほとんどなく、南からの弱風にメインセールのみで7ノット弱の気持ちのいい機帆走である。11時過ぎ諸島水道の諸島の西岸を通過、連れ潮もあり9ノット超の最高スピードを達成した。師走も押迫る中、諸島・情島水道ともに多くの漁船が、鯛の一本釣漁をしていた。1時間くらいで青島を右手に見て通過、ここにも漁船が多く出ていた。こちらはハマチかブリ漁と思われる。 マッサージ器で気持ち良さそう13時50分、予定より2時間余り早く長浜港に入港し、定期船の西横に面アンカー艫付けをした。航程53マイルだった。

早速、長浜健康センターで風呂に入りさっぱりしたところで、予め予約しておいた山本さん御用達の魚屋「丸幸」さんで、長浜河豚の「てっさ」、「てっちり」、「からあげ」それに「ひれ酒のひれ」を調達した。
今回は形の良い河豚であったのと、年末料金も入ってか、予想していたいつもの料金より高めでビックリ!第一日目で<会計担当>から参加費の「値上げ!」が宣言された。

フグ刺・皮の湯引きとフグのカラアゲ
最後の仕上げフグ雑炊

平成21年12月30日(第2日目) レポート:石 田 大洲市長浜港~伊予港(旧名郡中港)
天候:朝のうち雨のち曇り 風力:5
本日は、午前中に長浜港から伊予港へ移動し観光の予定である。朝は和定食をたいらげ、長浜港を9時過ぎに出発した。
強風を予測しメインセール2ポイントリーフにて出港、西からの追い風の中、大波と時折のブローで船首をかなり、ふられながらも最大8ノットで、本日も予定より早く伊予港へ到着した。横アンカー打ちし護岸へ繋留が済んだところ、近くの桟橋に繋留しておられる海上自衛隊支援艇「大和」の艇長の方に声掛けいただき、2日間停泊するのであれば、風も今晩から強くなるし、潮も大きく子供の乗り降りに危険なので、桟橋を使いなさいと有り難いお言葉、支援艇の桟橋の反対側へ繋留させていただくことができました。

夜になってかなり大荒れの天気となり雪の予報も出て,強風が吹きだしたこともあり、大変助かりました。与理くんにも感謝ですね!桟橋に移動後、風呂の準備をし、観光の目的地である内子町を目指して JRで出発、古い町並み地区を重要伝統建築物保存地区に指定された町中を散策し、内子座や古い町並みなどを見学して回ったものの主要見学施設は休みや工事中で、お土産店、喫茶店のみ営業中で、多くは正月明けからの営業のようでした。

しかし商家の破風の懸魚などの色漆喰塗りの鏝技には目を見張るものがありました。2時間ほど内子町を観光し伊予野さん(数年前までこちらに在住)の観光案内は終了です。りがとうございました。四国に在住される息子さんと合流の日野さんとは途中で別れ,今夜は、いつも25 分余り歩いて行く海岸沿いの「元気人村」温泉ではなく、支援艇の方に情報を頂いた港から歩いて5分余りの「いよプリンスホテル」横の天然温泉「いよ温泉」に入る。銭湯並み料金の入浴料350円のこじんまりとした温泉施設である。
発電機の燃料調達の途中、伊予内港(五色浜公園手前)のすぐ近くに昔ながらの銭湯が有るのも見つけた。本日の夕食は外食の予定であったが、師走のため食事が出来るお店が皆無、致し方なくヨットで夕食を作ることと成り、唯一開いていた駅近くのパン屋さんに立ち寄って数種類のパンとカモメに餌付けするパンの耳を仕入れて帰る。前夜の贅沢フグ料理で予定より多く使い過ぎていたため、倹約の夕食となり丁度良かったかな?

平成21年12月31日(第3日目) レポート:平 田 大洲市伊予(郡中)港 停泊
天候:曇りのち晴れ 風力:8
大晦日の本日も、内子町観光の予定だったが、寒波襲来による強風と寒さのため終日キャビンで過ごすと決め込む。朝はパジャマのまま洋定食をいただき、そのままゴロゴロ・・・いつのまにやらDVD 鑑賞会に変わる。タイトルは「クライマーズハイ」何が楽しくて山に登るの?と自分たちのことをバースの上の棚に上げながらも、キャビンの中は映画館のように盛り上がる。外は西風ビュンビュンの大荒れ、暖かなキャビンの中で楽しい間を過ごす。海上自衛隊支援艇「大和」の方々に再び感謝!感謝!である。船窓より、カモメの大群が港に避難していのが見える。早速、息子のあたりがパンの耳を持ってデッキに出る。あっという間に船はカモメの大群に囲まれることになる。一瞬ヒッチコックの映画 鳥」のゾッとするシーンを思い出すが、あたりは楽しそうにカモメと戯れている。おじさん達は暖かなキャビンの窓から、この映画のようなシーンを写真に納めた。夕方、今年最後の買出しを済ませ、昨夜と同じ「いよ温泉」にて今年最後の垢落とし。

大晦日の夜は、ゼーファーラー恒例のかも鍋+年越しそばを、NHKの紅白歌合戦を見ながら堪能する。無指向性TVアンテナ新設とTVを地デジに乗せ替えたので、船内でも鮮明な画像を見ることができるようになった。数年前まで、砂嵐のような画像に目を凝らして小林幸子のド派手な衣装を見ていたのが嘘のようだ。昔話で盛り上がるキャビンの中で、今年は除夜の鐘と唸るリギンの風切音を聞きながら新たな年を迎える事となった。

平成22年 元旦(第4日目) レポート:杉山 大洲市伊予(郡中)港~大三島 宮浦港
天候:曇りのち晴れ一時雪 風力:5
新年明けましておめでとうございます。7時起床。多少弱まった気もするが前日からの風がまだ
続いている。予定では、8時には出港の予定だが、ビュービューうなる風と突き刺すような寒さに、この居心地の良いバースを離れる気になれない。とはいえ後の航程もあり、渡海さんと石田さんが護岸に波の様子を偵察に行く。結局荒天準備をして、予定も変更し岩城島には行かないで、大三島に直行することになった。
朝食は平田料理長特性のお雑煮と、前日スーパーで購入したおせち料理、渡海家特性のカブの酢の物。御屠蘇で乾杯!
ゆっくりの朝食を終了し、9時出港。大三島まで45マイルのログです。前日のメインセール2ポイントリーフのまま出港し、北へ進路をとる。釣島と興居島の間を抜け、さらに中島と睦月島の間を抜けたところで北東に転進、ここで山本さんから私にワッチ交代。北西の風10m程度、アビームか少し追手の風で、巡航7ノット、最高7.8ノット。久しぶりにラットを握るが結構楽しい。
お昼は、平田料理長特性の磯部焼き。与理君がのりを巻いて、ワッチに給仕してくれる。お年玉の効果絶大である。

来島本船航路を横断して、大下島、小大下島の間を通り北に転進。南側から大三島宮浦沖の緑ブイ沿いに宮浦港に入港した。到着2:50。対水速度も感覚的に随分上がっているような気がした。クリスマス前に皆で船底塗装をやった甲斐があるっちゅーもんだ。大三島のお風呂は、伯方の塩の「マーレグラッシア」。せっかく早く着いたので、一服したら岬の山越えして4時にはお風呂に行った。でも、正月のせいか、かなり混んでました。
船に戻って、今夜はすき焼き。二次会では、「ダイハード4」の DVD で盛り上がる。いいのかなー、こんな生活していて、社会復帰できるかしら。

平成22年1月2日(第5日目) レポート:山 本 大三島 宮浦港 ~ ホテルグリンピア瀬戸内桟橋
天候:晴れ時々曇り 風力:4~5
初詣、手水舎で口と手を清め大山祇神社に参拝し、艇の航海安全祈願のお札頂いた。恒例のお御籤を引いたが、今年も「凶」のお御籤を引いたとても「運の悪い人」がいた。引いた人は特に平素の行いが良い「はず・・・・」なのに???3000年前の楠の木の前で記念撮影をし、新築中の随神門前で我々建築士4名+システムエンジニア 1 名は使用してある材料の事で一談義しながら神社を後にした。来年の初詣が楽しみである。

昼食、大山祇神社前、道路を渡った処にある「大漁」にする、11:30の開店まで近くのスーパーで昨日使い果たしたカモメのえさを補給したり、道の駅で時間をつぶす。
11:15くらいに、石田さんが店に列ができているとのこと、皆で並ぶ。此処は、佐伯帆走協会メンバー「スペルバンド」の船田さんお勧めで、マスコミにも取り上げられ安くて美味しいと評判の店。私としては、行列に並んでまで食事をしたいと思わないので、近くにある客の少ないうどん定食屋で良いと思ったのですが、30分の並び甲斐あり、海鮮丼380円、味噌汁80円、さしみ、から揚げ、煮物、焼き物等とてもリーズナブルで新鮮な料理がカウンターの上に処狭しと並んでいた。
例年通り初詣に参拝する途中、今は寂れた港から神社に向かう参道にある唯一繁盛の神島まんじゅう「村上井盛堂」に寄って注文した品物を其々受け取りに、例年のことなのでおばちゃん覚えていてくれて、焼きたてを1つずつくれる。焼きたてはやっぱり旨い。
港に帰ると桟橋の反対側に大きなヨットが繋留していた、聞けばニュージーランドの船で、ご夫婦で乗組。船名は「Charioteer」、船長53f、船体は5㎜厚さのスチール製、ニュージーランドを出港して4年、オーストラリア、パプアニューギニア、インドネシア、マレーシア、フィリピン、台湾、コリア、を経て日本に立ち寄っているとの事。

キャプテンのお誘いでヨットの中を見せてもらう事に、最初にスターンに吊り下げられたアルミ製のテンダーをボタン一つで上げ下げ出来るらしい装置の説明を受ける装備は完璧、2重3重に GPS プロッターはもとよりレーダー、測深器、果ては前方の海底を探るソナーまで装備していた、サロンは広くそして手の届かない高い天井、ランドリールーム長距離クルージングの為ビタミン補給用に大量の果物がバウのバース(倉庫代わり)にストックされていた。
西瀬戸自動車橋で繋がるまで此処の大量輸送を担った日本一長い桟橋に神山さんたちの「クワトロ」が一艇ポツンと繋留してあり、出港しがけに新年の挨拶をする。
14:00宮浦出港。途中エンジンの機嫌が悪くなりエンスト、ジブセールで船の姿勢を宥めつつ無事16:00グリンピア瀬戸内桟橋着舷、ポンツーンの南側には此処の漁船タイプのボートがど真ん中に繋留していたので北側に繋留させてもらう、早速お風呂セットを準備し街路樹の椰子の並木道を通りホテルグリンピア瀬戸内の「お湯都ぴあ」のお風呂につかる、露天風呂からは桟橋に繋留したゼーファーラーが見える(明るかったら)

ホテルグリンピア瀬戸内
玄関廻り緑地のイルミネーション

平成 22 年 1 月3日(第6日目)レポート:渡海 ホテルグリンピア瀬戸内桟橋~廿日市港
天候:晴れ 風力:4
夜半から朝方にかけて北の風が少し吹き上がる。四国連山に掛かるうす雲が、東の大崎下島の頂きの上に位置し、日の出予定の7時16分を 10 分余り遅れて太陽が出てきた。
今日も良い天気である。本日も平田親子の作った具沢山の雑煮と、おせち料理の残りでゆっくりと朝食を頂き、1000 時、北風で桟橋に押し付けられた艇を4人掛りで、舳先から順次離しながら出港、島影を抜け西に転進し上蒲刈島の宮盛が 9 時の方向に見えだした時、我が佐伯帆走協会メンバー「風花」の中鶴睦典さんから携帯電話、そちらの艇が見えますとのこと、何処に居ますと問いかけに「宮盛港」の応答。前日の安芸灘大橋下から連絡後、下蒲刈桟橋を偵察し宮盛港に停泊され、まだ港でゆっくりされている様子である。

上げ潮8分の猫瀬戸をメインセールとの機帆走3~4ノットで安芸灘大橋下をくぐる。その後ードを6ノットに戻し、杉山シェフの作った昼食を頂く、豚肉のソテーと、にんにくオイルと唐辛子が効いたツナスパゲッティーを美味しく頂いた。音戸の瀬戸は、ェーリーに水路の途中で出会わないように気をつ
けながら1300時通過、自衛艦の停泊する呉港沖・江田島切串灯台東・峠島東・宇品港南沖を通過し、帰港10分前の声で遅いシェスタを楽しんでいた私は、デッキに上がる準備をしていたところ、突然にエンジン停止、ぼけた頭で急いでメガネレンチさがして燃料のエアー抜きを行うが、エアー抜きが不十分だったようで、広島はつかいち大橋をくぐった所で、またエンジン停止! デッキでは山本スキッパー・クルーの面々は慌てず騒がずジブセールを展帆し、狭い水路を再度エンジン始動するまで頑張ってくれて無事ホーム桟橋に帰着。
船体に造り付けの燃料タンクと複雑な配管ホースやコックは今年の改良計画のリストのトップに上げなければならないようである。

今回のクルージングも美味しい食事と温泉の“楽しい”6日間であった。皆さんに感謝!

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