2007年小さなクルー初デビュー 新春クルージング<ゼーファーラー>

2007年 正月

2006 年 12 月 30 日 第一日目 天候:晴れ 廿日市港~弓削島港 レポート:石田

毎年恒例の正月クルージングの初日、今日はとても寒い朝となり、07 時 30 分集合時間に桟橋に来てみると、桟橋も船のデッキもドジャーも氷が張っており、遥かに望む極楽寺山は薄っすらと雪化粧の出港となりました。今日の乗船メンバーは渡海、佐竹、平田、平田 Jr と私の 5 名で、明日は 31日多度津港で山本さんと合流し、元日には JR多度津駅で山城さんと合流予定。
目指すは、48 マイル先の大三島は東側多々羅大橋袂の井口港です。風は 2~3mのほぼ向かい風、天気も潮向きも良く機帆走の順調な航行です。朝食は平田シェフ特性のサンドイッチ頂き、昼食には具沢山の肉うどんを美味しく頂いた。船足は予定よりも良く伸び早く到着しそうな様子のため、翌日の行程を考え、もうすこし遠くまで行くこととし、弓削島まで約 10 マイル足を延ばすことに急きょ変更、伯方島と能島の船折瀬戸を連れ潮で通過、それでも本日の到着予定時間の 16 時 30 分には弓削島へ到着し、おもてアンカーの艫付けとし、さっそく港近くの弓削ロッジのお風呂へ直行です。いつもながら港に係留して有る自艇を見ながらの展望浴場はキモチイイ~!夜はまたまた平田シェフ特性の鴨鍋をゆっくりとつつきながら最初の一日は過ぎて行ったのでありました。

マストと重なって見える建物が弓削ロッジ

出向の前日まで胃の調子がいまいちで、病院で薬をもらっての出港だったのですが、スッカリ調子が良くなって、何だったんでしょうね。今回は正月クルージングデビューとなる平田 Jr.(8 歳)も同行し、平均年齢が 46.3 歳と 6 歳も若返り、メンバーにとって大変に嬉しいことです。手抜きをしないでみんなで大事に育てていかなくてはと思いましたが、何時まで親と一緒に付いて来てくれるかがちょっぴり心配なところです。

2006 年 12 月 31 日 第二日目 天候:晴れ 弓削島港~多度津港
もう一つのクルージング 大竹市 玖波駅~多度津港 レポート:山本
12月30日餅つきを済ませ31日 JR 山陽本線玖波駅9時 20 分発、広島駅より新幹線レールスターに乗り継ぎ幾つもの川を渡り、港町を通り過ぎ岡山駅に到着、マリンライナーに乗り換え瀬戸大橋を渡り坂出駅、坂出駅より宇田津まで1駅乗り換えて予讃線多度津駅まで所要時間3時間、食事を済ませてから多度津港に到着予定のゼーファーラーを迎えようと徒歩で港に向かう、途中ゼーファーラーより多度津港に到着したとの連絡が入り昼食の用意をしているとの事、一人前を追加注文し平田シェフのスパゲッティーを頂く、その日は多度津からタクシーで 15 分くらいの所にある「いやだに温泉 大師の湯」に入浴し軽くビールを飲んで帰船する。

多度津港
たいらぎ貝のバター焼
艇内にて食事風景


今晩のディナーメニューは、
1) 多度津港県営桟橋に係留中の漁船から佐竹氏が手に入れたタイラギ貝の刺身+バター焼き
刺身はたて切と横切は微妙に味が違い中々美味しい、沢山食べようと思えばバター焼きが絶妙
2)スペルト小麦と豆のスープ
3)豚ばら肉のトマト煮込み
4)牛ほほ肉と甘エビのマリネ
5)小エビとブロッコリーのガーリックソテー
6)鴨のレバーのパテ
7)年越し蕎麦
とても食べきれる量では無く,4)5)6)は、次回に回して頂く事にした。2006年最後の夜も満足して眠りに付いた。この日 先発組の弓削島港出航は 0800 時、多度津入港は 1210 時 航程は 27 マイル、30 日に港湾事務所に電話連絡したが、年末のため休みで連絡が取れずに多度津港県営桟橋係留の三洋汽船ホワイトスターに了解を頂き 2 日の朝 07:00出航までという事で横抱きをお願いした。トイレは近くの福山行きフェリー乗り場の待合室で利用させていただいた。

2007 年元旦 天候:晴れ 多度津港~金毘羅参り
初めてのお正月クルージング レポート:小学校 2 年 平田Jr

初めてお正月クルージングに、お父さんと参加しました。元旦は、多度津港でむかえました。おぞうにを食べた後、しばらくすると、さんばしがざわざわして来ました。音楽が聞こえて来たので、デッキに出て見ると、たれまくが上がりはじめていました。そこには、「多度津水産高校水泳部 第 84回初泳ぎ大会」と書いてありました。すると、ふんどし姿のお兄さんたちが「わっしょい、わっしょい」と言いながら走って来ました。救急車もたいきしていました。間もなく、「わ~わ~」と大きなかけ声を出しながら、おみこしと傘をもって、お兄さんたちが海に入って行きました.

「すごく寒そうだなあ~」と思いました

その後、電車にのって、こんぴらさんにいって、かいだんをのぼってたいへんでした。のぼりながら、いだんの数を数えました。すると、785 だんあると書いてあったけど、784 だんしかありませんでした。一番上について、やっとついたと思いました。ちょっと歩くとまだ上の方があったから、行こうとしたけど、おじさんたちがヘトヘトだったので、のぼるのをあきらめました。
こんぴらさんの本でんのとなりに、ソーラーボートのマーメード号の本ものが、ほうのうされていました。マーメード号は、細長いし、はやそうだったし、かっこよかったです。ほかにも客船飛鳥Ⅱやたくさんの船のがくが、ほうのうされていました。ぼくも、ゼーファーラーの航海の安全をおいのりしました。それから、山を下りて、電車にのって丸亀の温泉「あ・くあ」に行きました。ろてん風呂に入って気持ちよかったです。お風呂から出て、みんなはおいしそうにビールをのんでいました。ぼくもウーロン茶とポップコーンとたこやきを食べて、おいしかったです。そして、タクシーで船にもどってすきやきを食べました。おいしかったです。元旦は、夜おそくまでおきていたら、山本のおじちゃんがよっぱらっておもしろい顔になりました。大わらいしました。初めてお正月クルージングにさんかして、とてもたのしかったので、また行きたいです

初参加の「山城さん」とは JR 予讃線と土讃線が分岐する多度津駅ホームにて 10 時過ぎに合流し、JR 讃線にて琴平まで特急で二駅 15 分余り乗車、参道のうどん店では讃岐うどんを賞味し、狭くなったりくなったりする階段を、おじさんたちは足を棒にして人波に揉まれながら息も絶え絶えにやっとの思いで金毘羅宮に参拝した。元気なのは大人に負けずに、朝食の雑煮餅を四個も食べた小学生の平田Jr だけ、本日 午後は丸亀美術館と中津万象園を見学し、讃岐うどんをもう一軒梯子する予定で有ったが、朝のスタートが遅くなったので断念することにした。
時代の流れとは言えばそれまでであるが、多度津水産高校は近く閉校に成るとのこと、84年間も続いた初泳ぎの正月の行事がなくなるのは町の人達にとって非常に残念であろう!
我々が係留したすぐ近くに 2 艇のヨットが護岸係留して有ったが、その一艇のオーナー64 歳は若者に混じって泳がれたと後で聞き、気合の入りようが我々とはずいぶん違うと恥じ入ってしまう。

2007 年 1 月 2 日 第 4 日目 天候:小雨 多度津港~大三島 宮之浦港 レポート:山城
念願 適って 2 年越しにやっとこのグループの正月クルージングに参加できた、昨日は朝早く自宅を出発し廿日市港に車を駐車、JRの廿日市駅から乗りなれない電車で皆さんと多度津駅で合流できるまでの不安と、金毘羅宮参拝の 785 段の階段登りの疲れで楽しい夕食後は比較的に早くからバースにもぐりこんで寝てしまった。

今朝は 0630 時出航のため、みんな早くから起きてバタバタしている。0700 時出航の観光船から舫いロープを取っているためだ。しかしバッテリーが上がっていてエンジンが掛らない。二晩続けて電気を使いすぎたのと、昨晩 携帯発電機で充電するのを失念していたためだ。
急いでゼーファーラーを後に移動し舫い綱を繋ぎ替える。これで観光船はいつでも出航できるので「一安心」。フエリーの乗組員の方が親切に桟橋の電源を使えと言われ充電を始めたが、かなり放電しているのでエンジンは中々掛らない、そうこうしていると観光船は出航し、外部電源の充電器と携帯発電機の直流充電で 10 分後に不安ながらもスイッチを入れると何とか掛った。「さあ出航!」港を出てみると霧雨で遠くの島が霞んでよく見えないが、正月で往来する船舶の数が少なくのんびりと走れる。船足は機走 6~7 ノットで平穏なクルージングが続く。
今朝はマッタケ入りの雑煮を食べた、やはりマッタケの香りは最高だ!! せっかくしんどい目をして金毘羅に参ったのに今年も「マッタケ」がたくさん取れますようにと祈り忘れたのは失敗であった。

第一ワッチの2名+お目付けワッチ1名

粟島の北側を過ぎ、六島手前で前後を確認し右に舵を切り本船航路を直角に横断、その後弓削島沖の豊島に針路を向ける。平行する左側の本船航路をたまに大型貨物船がゼーファーラーを追い抜いて行く、豊島、津波島を通過し右に転舵、伯方瀬戸を上げ潮に乗って航行、この先に多々羅大橋があるのだろうが雨で全然見えない。
第二ワッチの山本さんがラットを握りながらこの当たりの島に以前来た時のことを説明してくれる。その右には同じワッチの石田さんが廻りに目を配りながら話を聞いている。コックピットにいると船内から良い匂いがしてきた、 第一ワッチの2名+お目付けワッチ1名平田さんが「ハイッ」とカレーを三つ出してくれた。私好みの味だと、美味しく頂いた。
やがて斜張橋多々羅大橋が見えてきた。この橋の下を通るのが長年の夢だった、1230 時、橋下を通過、記念写真を皆が撮っている。 最高だったと一人思う! 大三島の北側を反時計回りに廻りこんだところで 1300 ワッチ交代、今度は平田Jr がラットを握り、佐竹さんがお目付けワッチ役だ、大久野島を右に見て更に左に廻り込み、1345 宮之浦港第二桟橋に係留。我々以外には誰も船を留めていない静かな桟橋だ。

係留風景と山の陵線の下がった部分が近道の山越

さっそく大山祇神社の参拝に出発、参道の途中おみやげの神島まんじゅう屋さんに各自で数量をお願いしておいて参拝、今年の航海の安全を祈願する。島なのに大勢の人が参拝に訪れているのには驚いた。船に帰り一休みした所で、誰かが「風呂に行きますか」と一言、港から近道の岬越えで 15 分の所にある伯方の塩が経営する「マーレ・グラシア」に向け出発、正月休みのせいか里帰りした家族連れがたくさん入浴にきている。潮風呂で体が良く暖まった。帰りも横着をして暗い中、岬の山越えを敢行、夜中のマッタケ採りのようである。正月だというのに今年は暖かい、まったく湯冷めしないので歩いて帰るのに気分よく帰れた。ゼーファーラーにかえって早速ビールで「乾杯!」あとはワイン等々で続く・・・・
夕食はキムチ鍋だ、こんなに美味しいキムチ鍋は初めてだ! ゼーファーラーのクルージングの最高の魅力は食事にあると思った。名コックの平田さん有っての楽しい食事がある。
最後の晩餐、みんなで腹いっぱい食べて飲んで、もう何も言うことなし、後は皆さんおやすみなさいと2段バースにもぐりこむ。

2007 年 1 月 3 日 第 5 日目 天候:晴れ 大三島 宮之浦港~廿日市港 レポート:佐竹
最終日 昨日の雨も上がり、皆それぞれ桟橋近くの公衆トイレまでお散歩して出港準備。昨日は大山祇神社でゼーファーラーの航海安全とプレジャボートさつき丸の航海安全と大漁を祈願し、昨年頂いたお札を返納し新しくお札も頂いた。
今日のレグは短い事もあり9時と遅い出港予定だったのが、8時過ぎには待ちきれず舫をとく者がおりやむなく出港。今日のスッキッパーも予定進路からはずしてまでセーリングするタイプの人でないため、風に恵まれず機走主体の機帆走。今回のクルージングでエンジンを止めてのセーリングは大崎上島の沖浦辺りから大崎下島北の三角島まで1度チャンスが有ったのみ。島の間を抜けていくため海底の地形もめまぐるしく変わり、潮流風向風速もめまぐるしく変わり、船足も同様となる。
蒲刈大橋をバックに平田Jr とYさん 基本的には微風の逆潮。それでも11時には蒲刈大橋下を
クリア。蒲刈大橋を過ぎて寒風の中、元気な若者がウインドサーフィンをしている。すごいスピードで艇の前後を行ったり来たりしているのに思わずシャッターを切ってしまった。

蒲刈大橋をバックに平田Jr とYさん

当初予定では漁師の料理屋「かつら」で昼食のはずが会費の残り不足もあるが、大晦日の予定メニューで残っていた食材に平田シェフが腕をふるう。牛ほほ肉の赤ワイン煮込み、小海老とブロッコリーのガーリックソテー、それに鴨のレバーのパテにフランスパンとワイン。いつもの事ながらシェフに感謝。音戸大橋をくぐったあたりで早く着きすぎるということで、西に転進し早瀬大橋をくぐり、その先の常ケ石崎の西側の筏に止めて2時頃昼食。その後は一路廿日市港へ。この頃になると平田 Jrもだいぶスキッパーに慣れ大活躍。ほとんどオーパイに仕事をさせる大人をしりめにりっぱにハンドリング、一方お父さんの方は帰港までにギャレー(台所)周りの船内の片付と掃除に大忙し、宮島海峡を過ぎ貯木場沖でセールダウンし、全員無事に5時過ぎ廿日市帰港。穏やかなお正月クルージングで有りました。

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